無線における音声品質の向上
携帯での話題 (2003年記述のため、現状は?)
ケータイの世界において一頃、雑音抑圧が話題になったことがあります。
雑音抑圧でどれだけ音声の明瞭度が向上するかというと、相手が送話中の雑音を抑圧したところで自分の周りにある雑音が消えてくれるわけではないので今一つ役立たずと言うところです。
アナログの世界では受信側で雑音抑圧処理を行えば、受信までの経路で混入する雑音が抑圧されるので聞きやすくなるのですが、デジタルの世界ではちと仕組みが違うので美味くないですね。
そんな中、雑音を抑圧するので無く相手の声を聞きやすくするには大きな声でしゃべってもらおうと言う方法がSRS社が売りに出しているVIP技術です。
ケータイの世界で利用可能な音声ダイナミックレンジは限られているので大きくしゃべってもらうというのは難しいので、受信側で相手の音声フォルマントを強調することで、振幅は同一でも大きくしゃべっているように聞こえる技術です。 韓国のSamsungのcdma端末に搭載されます。日本でもあちらこちらで採用予定のようです。
このデモを聞いてみたのですが、アルゴリズムからして振幅圧縮に伴う歪の処理に足して注意を払ってない事をうかがわせるブロック図が発表されています。
SRSはフォルマント強調による明瞭度向上としていますが、そんなに大きく変わらない処理は前から行われていまして、本HPで紹介しているアマチュア無線機にも送信側の音声振幅圧縮処理として搭載されています。音声のピークレベルと平均レベルには大きな差があるのでこれを圧縮する事で自分の声を良く聞いてもらおうという技術です。
発想の物は違いますが、結果と処理方法にはたいした差がありません。
SRS社の発想は悪くないのですが、もうちっとなんとかなるはずなんですがね―ということです。実際に発売される端末では何とかなっているのかもしれませんが…
